あなたは「苦しみがなぜ起こるのか?」を知ってますか?
このキーワードに1mmでも反応した方はこの本を読むのにぴったりの人だと思います。
今回は「苦しみがなぜ起こるのか?」そして「その苦しみから解放されるために何をすればいいのか?」についての内容が書かれている本を紹介します。
本のタイトルは『無(最高の状態)』です。
著者はパレオな男のブログでおなじみの「鈴木 祐」さんです。
1976年生まれ、慶応義塾大学SFC卒。16才のころから年に5,000本の科学論文を読み続けている、人呼んで「日本一の文献オタク」。
大学卒業後、出版社勤務を経て独立。雑誌などに執筆するかたわら、海外の学者や専門医などを中心に約600人にインタビューを重ね、現在は月に1冊のペースでブックライティングを手がける。
現在まで手がけた書籍は100冊超。科学論文で得た知識を仕事の効率アップに活かし、1日に2~4万文字の原稿を量産するいっぽうで、ライター界では珍しい「100%締め切りを守る男」としても知られる。
近年では、自身のブログ「パレオな男(http://yuchrszk.blogspot.jp/)」で健康、心理、科学に関する最新の知見を紹介し続け、現在は月間250万PV。
Amazonの紹介ページより抜粋
パレオな男ブログを見たことない方は一度見てみてください。
健康やダイエット、仕事の効率を上げたいななど生活に役立つ内容を科学的な内容の結果をまとめたブログになってます。
書籍の紹介
さて、あなたは苦しみについてどれだけ知ってますか?
- なぜ、苦しいという感情が発生するのか?
- 苦しいという感情に意味はあるのか?
- 苦しい感情をなくすことはできるのか
これらの疑問に答えてくれるのが今回の『無(最高の状態)』です。
そして、本の内容に書かれている苦しみの対策方法の大半が神経科学や脳科学データに基づいているので、実践することで効果が得られる可能性が大いにあります。
科学的エビデンスがある実践方法が書いてあるのは鈴木祐さんの本の特徴ですね!!
この本の中では「すべての苦しみは「自己」の問題に行きつく」と書いてあり、
そして、「自己とは何か?」、「自己を理解した上で苦しみを減らすとどこにたどり着くのか?」といったことを教えてくれるそんな一冊です。
※ちょっと難しい書き方になっていますが、本の中ではもっと詳細に書いてます
この本の構成は7章に分かれて書かれています。
7つの章のタイトル
- 序 章 苦
- 第1章 自己
- 第2章 虚構
- 第3章 結界
- 第4章 悪法
- 第5章 降伏
- 第6章 無我
- 終 章 智慧
本の内容をざっくり話すと次のようなストーリーで書かれています。
- 苦しみとは何か?
- 苦しみを生み出している自己の正体とは?
- 自己を克服することで苦しみが消える
- 自己を克服するための事前トレーニング
- 苦しみを生み出している自己を知る
- 苦しみを生み出していた自己を受け入れるトレーニング
- 自己を克服するためのトレーニング
- 自己を克服した人はどうなるのか?
この各項目の内容を読んだ上で、書かれたトレーニングを実践してみると本の最後に書かれている「無我」という状態になれるようです。
無我になると次のような良い事があるみたいです!
- 幸福度の上昇
- 意思決定力の向上
- 創造性の上昇
- ヒューマニズムの向上
(ヒューマニズムとは自分が欲しいと思っているものを他の人にも与えることだそうです。他人に優しくなれるってことですかね)
トレーニングはちょっと大変なところもありますが、やってみると自分のことを知るいい機会ですので買った人は是非やってみてください。
自分は「降伏ワークシート」というトレーニングを実践しています。
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本の中でもっとも興味が湧いた点2つ
『無(最高の状態)』で自分がもっとも興味が湧いた点2つ説明します。
- 私たちは脳が作り出したシミュレーション正解を生きている
- 自分の苦しみを左右する18の悪法
私たちは脳が作り出したシミュレーション世界を生きている
一つ目の興味が湧いて点です。
「私たちは脳が作り出したシミュレーション世界を生きている」ですが、これだけ見ても「ん?」って思いますので、簡単に説明すると人間の脳は0.1秒で物語を生み出し、その物語の世界を生きているそうです。
今私たちが体験しているものは次のようなステップによって脳で作り出されています。
- 周囲の状況がどうなるかについて事前に脳が物語を作る
- 目や耳などの感覚器官が受け取った映像や音声の情報を脳で作った物語と比較する
- 脳で作った物語が間違っていたところだけを修正して”現実”を作る
というステップで自分たちの世界は作られているみたいです。
つまり、普段と同じことをやっていると目や耳から入った情報は脳まで伝わっていないってことですね。面白いですよね!
なぜこのような処理をしているかというと、「脳のリソース節約」だそうです。
簡単に言えば脳が怠けたいために、「脳が一度体験した出来事などは記憶として残して、同じような場面に出くわしそうなら物語を作って、その通りであれば脳はリソースを節約するために働かない」ってことですね。
だから「脳が作り出したシミュレーション世界を生きている」ということです。
んー脳ってよくできてるなぁと思います。
これを読んでなぜ人が3日坊主になりやすいかが分かった気がします。
どういうことかというと「脳はリソースを節約したい。だから基本的には働きたくない。ということは新しいこととか、勉強みたいな脳のリソースを使うようなことはしたくない」ってことです。
まとめると、こうなります。
・なぜシミュレーションするのかというと脳がリソースを節約するため
自分の苦しみを左右する18の悪法
続いて二つ目の興味が湧いた点「自分の苦しみを左右する18の悪法」です。
ここでの悪法の定義とは「脳が作り出した物語の中で悪い物語のこと」をいいます。
例えば「友達にそっけない態度をとられた」時に、過去の経験から「これは嫌われているんだ」と物語を作ってしまうことです。
でも本当は友達は「単に仕事が上手くいってなかったから、そっけない態度をとっただけ」かもしれません。
といったように、悪い方に考えてしまう物語のことを本の中では悪法と呼んでいます。
そう言った悪法になる定番のきっかけというものがコロンビアが大学の心理学者ジェフリー・ヤングらが考えた18種類に分類してくれてます。
この18種類の中で自分がどのような悪法を持っているのかを見つけるのは自分の嫌な部分に向き合うので少し大変ですが、自分を知ることができると意外と楽しいものです。
さすがに18種類すべてを紹介できないので、自分がよく遭遇する悪法を紹介します。
自分がよく遭遇する悪法
- 孤立
「孤立」とは「自分は周囲に溶け込めない」、「いつもグループの外側にいる」という感覚を与える悪法です。孤立の悪法を持っている人は「他人を完全に避ける」、「自分からは人に話しかけない」、「閉じたコミュニティの中だけで威勢がいい」などの特徴があります。
自分の場合は人と話しをするのが好きではないので「孤立」は当てはまる悪法です。
- 服従
「服従」とは「自分の意見を言うのが苦手で、怒りや悲しみを抱いても表に出さない」という人は服従の悪法を持っています。服従の悪法を持っている人は「メンタルが傷ついても他人に言わない」、「争いや拒絶を避けるために他人を喜ばせることが多い」、「相手の電話に出ない」、「他人を無視する」などの特徴があります。
自分の場合は孤立の影響で人と話しするのが好きではないので、自分の意見は言わないことは結構あります。
また、争いとか拒絶は苦手なのでとりあえず相手が喜びそうなことをいうのもあるので「服従」は当てはまる悪法です。
こういった感じで、18個の悪法があり自分がどの悪法に当てはまるのかを見つけるのは結構いい事だなと思いました。※内容は一部抜粋になります。
まとめると、こうなります。
・その悪法を知ることで自分がどのようなことに反応するのかを知ることができる
本の内容で疑問に思ったポイント
ここでは自分の中で「?」が付いたところを書きたいと思います。
疑問に思った点は次のようなことです。
- 無我まで行けたとして無我の状態を無我と気付けるんだろうか?
無我まで行けたとして無我を無我と気付けるんだろうか?
本書の「終 章 智慧」では無我(自己を克服した状態)になった時の人の声が書かれているのですが、そもそもこの状態を無我になった本人が気づくことができるのだろうか?という疑問です。
一応最初の方で無我になった人は「幸福度の上昇」や「意思決定力の向上」、「創造性の上昇」などは客観的に証明するのが難しい気がするなぁと思います。
幸福度と創造性は過去の自分と比べてどうかという主観でしか比べられない。
意思決定力の向上も、決定した内容が良いか悪いかの判断って難しい気がする。決定した内容があっていたかどうかの答え合わせができないので。
例えば、Gガンダムのドモンの明鏡止水モードとか、テニプリの無我の境地とか(あれは違うかw)みたいな、他人から分かりやすく「あれっあいつ無我の境地じゃね?」っていう風に分かりやすくなってるといいなぁと思いましたw
ひと言まとめ
最後にひと言まとめです。
書籍情報
【書籍名】無(最高の状態)
【著者名】鈴木 祐
【出版社 】クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2021/7/16)
【こんな人におすすめ】自分を最高の状態にしたい人。ストレスや不安がある人。
【キーワード】ストレス、不安、自己、無我
【頁 数】286ページ
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鈴木 祐さんとても為になる本ありがとうございました。
以上です。ありがとうございました。
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