「なぜ人類の文明は各地で差がでたのか?」
ということで、ちょっと難しそうな始まりになりましたが今回は人類の歴史をたどる本を今回紹介します。※ひろゆきさんもおすすめしている一冊です
本のタイトルは『銃・病原菌・鉄(上)』です。
上巻なのでもちろん下巻も存在します。
著者は「ジャレド・ダイアモンド」さんです。
1937年ボストン生まれ。ハーバード大学で生物学、ケンブリッジ大学で生理学を修めるが、やがてその研究領域は進化生物学、生物地理学、鳥類学、人類生態学へと発展していく。『銃・病原菌・鉄(上)(下)』(倉骨彰訳、小社刊)はそれらの広範な知見を統合し、文明がなぜ多様かつ不均衡な発展を遂げたのかを解明して世界的なベストセラーとなった。カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部生理学教授を経て、現在は同校地理学教授。アメリカ科学アカデミー、アメリカ芸術科学アカデミー、アメリカ哲学協会の会員にも選ばれている。アメリカ国家科学賞、タイラー賞、コスモス国際賞など受賞は多く、『銃・病原菌・鉄』ではピュリッツァ-賞を受賞している。邦訳書は上記のほかに『セックスはなぜ楽しいか』(長谷川寿一訳、小社刊)『人間はどこまでチンパンジーか?』(長谷川真理子・長谷川寿一訳、新曜社刊)がある。
Amazonの紹介ページより抜粋
より深く知りたい方は、著者本人のWebサイトで紹介がありますのでそちらを参照ください。
書籍の紹介
あなたは歴史の勉強や、新型コロナなどの病原菌がニュースになっている時に、次のようなことを考えたことはないでしょうか?
- なぜ人類は狩猟採集をやめて農耕社会を作ったのか
- 病原菌ってどこから来るんだろうか
- ヨーロッパ人はなぜアメリカ大陸を征服できたのか
「農耕社会の方が楽だからですよね?」、「ヨーロッパ人の方が良い武器持ってたからですよね?」という風に思う人もいると思いますが、確かに半分正解です。
ですが、もっと他にも理由があったんです。
それらの理由を教えてくれるのがこの「銃・病原菌・鉄(上)」という一冊です。
この本の構成はプロローグと3部に分かれて書かれています。
各部のタイトル
- プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの
- 第1部 勝者と敗者をめぐる謎(一万三〇〇〇年前のスタートライン;平和の民と戦う民との分かれ道;スペイン人とインカ帝国の激突)
- 第2部 食料生産にまつわる謎(食料生産と征服戦争;持てるものと持たざるものの歴史;農耕を始めた人と始めなかった人;毒のないアーモンドのつくり方 ほか)
- 第3部 銃・病原菌・鉄の謎(家畜がくれた死の贈り物)
本の内容をざっくり話すと次のようなストーリーで書かれています。
- 著者が本書を書こうと思ったニューギニア人のヤリという人物からの問いかけ
- スペイン人とインカ帝国の戦いの話しとなぜ少数だったスペイン人か勝てたのかの疑問
- 食料はどのように栽培されたのか?そして、各大陸(ユーラシア、アメリカ、アフリカ)でどのように伝播していったのか
- 家畜はどのようにして現在の家畜に選別されたのか
- 狩猟採集民族から農耕民族になった話し
- なぜ病原菌が現れるようになったのか
プロローグでは著者がニューギニア人のヤリという人物から以下の問いかけをきっかけに本書を書いたと書かれています。
「あなたがた白人はたくさんのものを発展させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものと言えるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」
ココだけ見るとわかりにくいが、補足するとこの話しは1972年に著者がニューギニアにいた時の話しで、当時のニューギニアは独立する前で、生活もヨーロッパの人々に比べて昔の生活をしていました。
そして、ヨーロッパから持ち込まれた様々なもの(鉄の斧、マッチ、医療品)などを見て「なぜ、ヨーロッパ人とニューギニア人でこれほど技術などの差がうまれたのか?」という質問です。
上記の質問の答えや、その他人類がどのようにして「食料や家畜を発見して育てたのか?」そして「なぜ農耕民族になったのか?」、「なぜ、ヨーロッパ人がアメリカ大陸を征服できたのか?」などを本書ではこの答えを探すために著者の考えを様々なエビデンスをもとにひも解いてくれます。
なので、上巻だけ見てもとても興味深い本になってます。
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本の中でもっとも興味が湧いた点2つ
『銃・病原菌・鉄(上)』で自分がもっとも興味が湧いた点2つ説明します。
- ヨーロッパ人がアメリカ大陸を征服できたのは能力の差ではなく環境のおかげ
- 集団感染症は人類が引き起こした
ヨーロッパ人がアメリカ大陸を征服できたのは能力の差ではなく環境のおかげ
一つ目の興味が湧いた点です。
「ヨーロッパ人がアメリカ大陸を征服できたのは能力の差ではなく環境のおかげ」は本書の疑問である「なぜ、ヨーロッパ人とニューギニア人でこれほど技術などの差がうまれたのか?」の答えになります。
いやいや、「ヨーロッパ人がアメリカ大陸を征服できたのは、船を作ったり、武器を作る能力がアメリカ先住民より勝っていたからじゃないの?」と思う方もいると思います。
たしかに武器を先に作り出せたことは要因の一つですが、本書ではその武器を先に作り出すこと出来たのことが環境のおかげだということを次のような理由で説明しています。
- 食料を最初に栽培化できた地域は、栽培できる品種が多かったから
- 自分たちに役に立つ家畜を育てることができたのは多様は種類の動物がいたから
- ヨーロッパ人が病原菌の免疫を持っていたのは食料や家畜を使って都市型の国家を作ったから
結果、早くに農耕社会になった地域は狩りをする人から、農耕社会になることで人口が増加して、都市国家がうまれた。
人が増えたことで農耕以外の様々な仕事をする人々が増えていき、武器などを作れるようになった。
逆に人が一か所に集まるようになったことで様々な流行り病が蔓延するようになり、免疫を持つことができた。
なのでヨーロッパ人が食料、家畜、病原菌に対して他の地域に比べて優位な環境にあったことで文化が発展しその他の地域よりも優位な武器を作れたという結論になります。
ちなみに「ヨーロッパ人が病原菌の免疫を持っていた」から他より優位になるというのは、ヨーロッパ人がアメリカ大陸を征服できた大きな理由の一つとして「アメリカ先住民はヨーロッパ人が持ってきた病原菌によって多くの死者を出した」からです。
当時アメリカ先住民は天然痘、麻疹(はしか)、インフルエンザ、チフス、マラリア、おたふく風邪、百日咳、ペスト、結核、黄熱病などで命を落としたそうです。
今では「そんなので死ぬ?」みたいな病気もありますが、これも人類が過去に経験したことを乗り越えてたおかげなんだなぁと思いました。
まとめると、こうなります。
集団感染症は人類が引き起こした
続いて二つ目の興味が湧いた点「集団感染症は人類が引き起こした」です。
先ほど「人が一か所に集まるようになったことで様々な流行り病が蔓延するようになり」と書きましたが、まさに農耕社会の闇の一つだなぁと思いました。
どういうことかというと、農耕社会になったことによって一か所に人が定住するようになりました。
その結果、病原菌や寄生虫の幼虫を含んだ自分たちの排せつ物が近くにある場所に住んだり、その排せつ物を肥料として使ったり感染しやすい状況を知らないうちに作ってしまったのです。
また、感染源であるその他の生き物も定住した食料目当てに来るげっ歯類を媒介にして感染したり、森林内を開拓したことによるマラリアを運ぶ蚊の繁殖環境を作ってしまったり。
そして病原菌に素晴らしい環境を提供したのが、都市国家だそうです。
都市国家になることで、人口がさらに密集して土地が狭くなったことで環境もさらに悪化するし、他の地域からも人がどんどん来るため、それに伴い感染する人も増えていったそうです。
農耕社会がもたらした光と闇ですね。
感染して犠牲者も多く出したが、克服することによって、その病原菌による免疫がつき、そのおかげで他の大陸への侵略に役立つっていう。
まとめると、こうなります。
以上が興味の湧いた点2つ目でした。
本の内容で疑問に思ったポイント
ここでは自分の中で「?」が付いたところを書きたいと思います。
本の中でというわけではないですが、疑問に思った点は次のようなことです。
- 人類は新しい環境に身を置くことで新たな感染病になるのなら宇宙に身を置いたら新しい感染病があるんだろうか?
という素朴な疑問です。
そもそも宇宙って空気が無いから生物何て存在しないんじゃないか?と思ったので調べてみました。
宇宙空間での細菌やウイルスについての話しはなかったですが、どうやら国際宇宙ステーション(ISS)新種の微生物が発見されたみたいです。
もう一つ面白そうなものがありました。
それは「微生物は宇宙で3年生存する」という内容です。
国際宇宙ステーションで2015年から実施された「たんぽぽ計画」による成果で、生命が小惑星や彗星などと共に惑星間を移動したと提唱する「パンスペルミア説」を後押しする可能性がある。
「微生物は宇宙で3年生存する」という日本の研究チームの実験結果が意味していること
記事を読んでみるとたんぽぽ計画と呼ばれるもので、微生物が宇宙空間でも3年生存するということを確認したようです。
何の意味があるのかというと宇宙空間でも生物が生きられるということで「パンスペルミア説」という「生命の起源は宇宙から来たんじゃないか?説」の証拠になるそうです。
なるほど。夢が広がりますね。。
全然関係ない方向に進みましたが以上になります。
ひと言まとめ
最後にひと言まとめです。
・病原菌の集団感染は結果的に人類が自分たちが引き起こした
書籍情報
【書籍名】文庫 銃・病原菌・鉄 (上)
【著者名】ジャレド・ダイアモンド
【出版社 】草思社 (2012/2/2)
【こんな人におすすめ】人類の歴史に興味がある、病原菌の発生元
【キーワード】世界史、人類史
【頁 数】 416ページ
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以上です。ありがとうございました。
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