あなたは「自分が何者か」を知ってますか?
このキーワードに1mmでも反応した方はこの本を読むのにぴったりの人だと思います。
今回は「自分が何者か?」、要は「人間の性格にはどのようなものがあるのか?」といったことに興味がある方は読んだ方がいい本を今回紹介します。
本のタイトルは『スピリチュアルズ「わたし」の謎』です。
著者は「橘玲(たちばなあきら)」さんです。
2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』が30万部を超えるベストセラーに。06年『永遠の旅行者』が第19回山本周五郎賞候補。『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で2017新書大賞受賞。
Amazonの紹介ページより抜粋
より深く知りたい方は、著者本人のWebサイトで紹介がありますのでそちらを参照ください。
書籍の紹介
さて、あなたは自分のことをどれだけ知ってますか?
- 人と話すのは好き?それとも苦手ですか?
- 失敗した時にすぐに立ち直りますか?それとも引きずるタイプですか?
- コツコツと物事を継続できますか?それとも飽き性ですか?
これらに共通することは私たちは”8つの要素”でできている。と本の中で言われています。
8つの要素の元になっているものは心理学言われる「ビッグファイブ」と呼ばれているものです。
ビッグファイブとは人間の性格(パーソナリティ)を分けたものです。
- 外向性/内向性
- 楽観的/悲観的
- 協調性
- 堅実性
- 経験への開放性
『スピリチュアルズ』ではこの中の「協調性」をさらに「協調性/同調性」の2つに分類し新たに「外見」と「知能」を加えた合計8つに分類しています。
それぞれを簡単に説明すると次のようになります。
※以下は相手を見た時に判断する指標です
- 明るいか、暗いか(外向性/内向性)
- 精神的に安定しているか、神経質か(楽観的/悲観的)
- 皆と一緒にやっていけるか、自分勝手か(協調性)
- 相手に共感できるか、冷淡か(共感力)
- 信頼できるか、あてにならないか(堅実性)
- 面白いか、つまらないか(経験への開放性)
- 賢いか、そうでないか(知能)
- 魅力的か、そうでないか(外見)
この本の中で「それぞれの性格にフォーカスを当てて説明されていき、最終的に自分はどんな人間なんだろうか?」といったことを考えさせてくれるそんな一冊になっています。
この本の構成は9つのパートに分かれており、パートごと数項目ずつ必要な知識が書かれています。
9つのPARTのタイトル
- 無意識と「ビッグファイブ」理論を最速で説明する
- 心理プロファイルを使った史上最大の「陰謀」
- 外向的/内向的
- 楽観的/悲観的
- 同調性
- 共感力
- 堅実性
- 経験への開放性
- 成功するパーソナリティ/失敗するパーソナリティ
この各項目の内容を読んだ上で、自分の性格を考えてみると「自分がどういったことが好きなのかや自分の向いている仕事」などを振り返る良いきっかけになると思います。
いろいろな本の内容や文献の話しが出てくるので若干難しいところもありますが、理解できると「へぇ~そうなんだ!!」って思えるところがあります!
あと男女の性差の違いの話しもよく出てくるので今までさっぱりわからなかった、男性のこと、女性のことが理解できるようになるもの面白い点です。
本の中でもっとも興味が湧いた点2つ
『スピリチュアルズ』で自分がもっとも興味が湧いた点2つ説明します。
- 性格は基本的にはみんな似ている
- 共感力は男女差がある
性格は基本的にはみんな似ている
一つ目の興味が湧いて点です。
「性格は基本的にはみんな似ている」ですが、まず本書の中で性格はベルカーブしていると書かれています。
ベルカーブとはデータを平均した時に中央が一番高くなる状態のことです。
↓こんなのです。
要するに、大体みんな似たような性格を持っているということです。
ちなみに基本的にはと書いているのは例外があるからです。
例外とは、「同調性」は「ベキ分布(ロングテール)」になっていることや、「共感性」は男女で平均の場所が異なっているなどです。あとは人種による違いなど。
※詳細は本を読んでください
ベキ分布は以下のサイトを見てもらえると分かりやすいかと思います。
貯金の平均820万なのに何で中央値が20万なの?話題の貯蓄額データを科学者が本気で分析する
ではなぜ人それぞれ違うように見えるかというと「ビック5の各要素の強弱によって個性(性格)が違っているように見えている」からです。
簡単な例でいうと、自分自身の外向性(明るいか、暗いか)が平均的(明るくも暗くもない性格)だったとします。
「あなたは明るいですか?暗いですか?」と聞かれた時に「普通かな」って答えるような状態です。
「明石家さんま」を見てあの人は明るいですか?暗いですか?と聞かれた時、ほぼ100%「明るいです」と答えますよね。
「明るいです」と答えた理由として「自分または今まで見てきた人たち」と性格を比較して明るいと答えてるんじゃないでしょうか?
その比較した基準がビッグ5の外向性の要素になります。
分かりやすく数値にすると自分の外向性の値が「3」だったとして、明石家さんまさんの値が「10」のようになります。
これからの数値の違いが個性になるということです。
まとめると、こうなります。
・なぜ違うように見えるかというと「ビック5の各要素の強弱によって個性(性格)が違っているように見えている」
共感力は男女差がある
続いて二つ目の興味が湧いた点です。
共感力ってよく聞きますよね?
どのような力か知ってますか?
共感力とは「相手と感情を一致させる能力」のことです。
例えば、泣いている人を見て一緒に泣いてしまうとか、アニメや映画を見て悲しいシーンで泣いてしまうなど、感情移入することです。
ちなみに相手の考えていることを理解することは別の能力で「メンタライジング」というもので、共感力とは別の能力です。
で、その共感力ですが「男女差」があるそうです。
男性の方が共感力が低くて、女性の方が共感力が高いです。
たしかに言われてみると、女性同士で泣いていることはよく見ると思いますが、男同士で泣いている事ってあまり見ませんよね。
本の中では性差は次のような分布になっていると考えられています。
この図で言うと、左側が「共感力:高」で右側が「共感力:低」になります。
図を見ればわかる通り、男と女で共感能力に差があるため、男性が女性の気持ちを分からないのはある意味どうしようもない能力差ってことですねw
本の中ではなぜ共感力に性差があるのかを詳しく書いてますので気になったら買ってみてみてください。
本の内容で疑問に思ったポイント
ここでは自分の中で「?」が付いたところを書きたいと思います。
疑問に思った点は2点あります。
- 堅実性の「意志力は筋力と同じように消耗する」は否定されている
- 性格って「過去」と「現在」で違う気がするけどどっちが本当の自分何だろうか?
堅実性の「意志力は筋力と同じように消耗する」は否定されている
本書の堅実性の章では、アメリカ心理学者ロイ・バウマイスターさんの「意志力(Willpower)」をもとに紹介されていますが、意志力は筋力と同じように消耗していく「自我消耗」ですが、この実験を追試した結果「効果がなかった」という結果が出ているというパレオさんのブログがあるので少し気になりました。
意志力って実は使ってもすり減らないんですってよ |「意志力3.0」 #1
意志力は使っても減らない!じゃあ結局「意志力」ってなんなんだ?みたいな話
そのため、意志力に関する部分は鵜呑みにはできないのかも・・・というのが個人的な意見です。
すべてが否定されているわけではないため、引き続き意志力については観察が必要ですね。
性格って「過去」と「現在」で違う気がするけどどっちが本当の自分何だろうか?
2つ目は、特に本の中では触れられていないのですが、気になったのがビッグ5の判定試験をしている時に、迷うのが「過去」の自分ならこっちを選んだんだけど、「現在」の自分ならこっちを選ぶなぁってことがあります。
その場合ってどっちが本当の自分?という疑問があります。
今の自分の性格が正しいなら今思っていることを素直に書けばいいと思うのですが、ここでさらに気になることが、
「もし自分の意見が少し前に読んだ本や他人の意見の影響を受けているのだとしたら、現在の自分の選択しようとしている答えって誰かの影響を受けた答えなのでは?」
って思うわけなんですね。
だとすると本当の自分の性格を知るためにはどうすれば・・・と思ってしまいました。
まぁ、定期的に判定試験をしてデータをとっていくといいかもしれませんねぇ。
ビッグ5の診断と言えばメンタリストDaiGoさんが監修したアプリがありますのでそちらを使ってみたはどうでしょうか。
- iPhone版
- Android版
【超性格分析】恋愛の相性も心理学で解明-メンタリストDaiGo監修アプリ
ひと言まとめ
最後にひと言まとめです。
書籍情報
【書籍名】スピリチュアルズ 「わたし」の謎
【著者名】橘 玲
【出版社 】幻冬舎 (2021/6/23)
【こんな人におすすめ】自分の性格を知りたい人
【キーワード】性格、ビッグ5
【頁 数】392ページ
橘 玲さんとても為になる本ありがとうございました。
以上です。ありがとうございました。
コメント