前回の続きで、Djangoについて学んでいきます。
今回もモデルについて勉強していきます。
Djangoの勉強内容は以下の本を参考にしています。
参考
Python Django3超入門 (日本語) 単行本 – 2020/6/13 掌田 津耶乃 (著)
コードは以前の記事を参考にしてください。
Djangoを勉強してみる(入門編)
Djangoを勉強してみる(入門編その2)
Djangoを勉強してみる_urlを学ぶ(入門編)
Djangoを勉強してみる_テンプレートを学ぶ(入門編)
Djangoを勉強してみる_テンプレートを学ぶ_その2(入門編)
Djangoを勉強してみる_フォームを学ぶ_その1(入門編)
Djangoを勉強してみる_フォームを学ぶ_その2(入門編)
Djangoを勉強してみる_フォームを学ぶ_その3(入門編)
Djangoを勉強してみる_モデルを学ぶ_その1(入門編)
Djangoを勉強してみる_モデルを学ぶ_その2(入門編)
Djangoを勉強してみる_モデルを学ぶ_その3(入門編)
Djangoを勉強してみる_モデルを学ぶ_その4(入門編)
Djangoを勉強してみる_モデルを学ぶ_その5(入門編)
Djangoを勉強してみる_モデルを学ぶ_その6(入門編)
Djangoを勉強してみる_モデルを学ぶ_その7(入門編)
今回の目的
前回はデータベース中身から必要なものを検索する機能を勉強しました。
今回はデータベースのリレーションシップについて勉強していきます。
リレーションシップとは
リレーションシップとは、データベース間のリレーション(関係。つながり)のことです。
ちゃんとしたWebアプリケーションを作ろうと思うと、データベース間での連携が必要になってきます。
例えば、ブログの記事で考えると記事1つにつき、タグなどが複数ついていることはよくあることです。
例)記事:Djangoの勉強 ⇔ タグ:Django、勉強
この記事とタグのデータベースを関連付けすることがリレーションシップです。
リレーションシップの種類
リレーションシップには4種類あります。
【種類】
- 1対1対応:テーブルAのレコード1つに対して、テーブルBのレコード1つが紐づいているという関連付けです。
例えば、リンゴ1つに対して、100円というような感じです。 - 1対多対応:テーブルAのレコード1つに対して、テーブルBのレコードが複数紐づいているという関連付けです。
例えば、リンゴ1つに対して、複数の種類のリンゴ(ふじ、王林)のような感じです。 - 多対1対応:2番の逆になります。複数の種類のリンゴがリンゴという1つのカテゴリーに紐づいている感じです。
- 多対多:テーブルAの複数のレコード対して、テーブルBの複数のレコードに紐づいているという関連付けです。
例えば、果物(リンゴ、桃、ミカン)というカテゴリーに対して、複数の種類(ふじ、王林)、(白鳳、桃山)、(あけぼの、甘夏)のような感じです。
Djangoでリレーションシップの使い方
まずは、1対多モデルのリレーションシップの使い方です。
Djangoのmodels.pyで次のように書きます。
1対多モデル
●主モデル(1側)
class A(models.Mode):
●従モデル(多側)
class B(models.Mode):
項目 = models.ForeignKey(モデル名)
主モデル側はいつも通りです。
従モデル側の方に「models.ForeignKey」という項目を追加します。
「ForeignKey」とは、外部キーのクラスのことです。外部キーとはこのモデルに割り当てられているテーブル以外のテーブルのキーという意味です。
続いて1対1モデルのリレーションシップの使い方です。
1対1モデル
●主モデル
class A(models.Mode):
●従モデル
class B(models.Mode): 項目 = models.OneToOneField(モデル名)
従モデル側の項目に「models.OneToOneField」を追加します。
最後に多対多モデルのリレーションシップの使い方です。
多対多モデル
●主モデル
class A(models.Mode):
●従モデル
class B(models.Mode): 項目 = models.ManyToManyField(モデル名)
従モデル側の項目に「models.ManyToManyField」を追加します。
以上が、リレーションシップの使い方になります。
それでは実際にこの中で最もよく使われている、「1対多」をやりたいと思います。
今回のイメージは、ブログの投稿記事です。
一つのユーザ(主側)に対して、複数の記事(従側)を紐づけします。
それではやっていきます。
1対多のリレーションシップを作成する
まずは、複数の記事を作成するモデルを作成します。
モデルのイメージは次のようにします。
タイトル:記事のタイトル
コンテンツ:記事の中身
投稿日時:投稿した日時
1.models.pyを編集
ファイル:sample_app>hello>models.py
コード:
from django.db import models class Friend(models.Model): name = models.CharField(max_length=100) mail = models.EmailField(max_length=200) gender = models.BooleanField() age = models.IntegerField(default=0) birthday = models.DateField() def __str__(self): return '<User:id=' + str(self.id) + ',' + self.name + '(' + str(self.age) + ')>' #以下を追加---- class Message(models.Model): friend = models.ForeignKey(Friend, on_delete=models.CASCADE) title = models.CharField(max_length=100) content = models.CharField(max_length=300) pub_date = models.DateTimeField(auto_now_add=True) def __str__(self): return '<Message:id=' + str(self.id) + ', ' + self.title + '(' + str(self.pub_date) + ')>' class Meta: ordering = ('pub_date',)
従側のモデルにMessageというクラスを新規作成しました。
作り方は上で説明した通り「models.ForeignKey」を使って、Friendクラスに関連付けしています。
引数に使われている「on_delete=models.CASCADE」とは、主側のデータを削除した時に関連しているMessageクラス側のデータも併せて削除するという意味になります。
その他の項目はモデルのイメージになります。
あと見慣れない「ordering = (‘pub_date’,)」はpub_data順に並べる設定です。
2.マイグレーションをする
モデルを新規作成したのでマイグレーションします。
python manage.py makemigrations hello python manage.py migrate
マイグレーションが終わったら、管理サイトで管理できるようにします。
3.admin.pyを編集
ファイル:sample_app>hello>admin.py
コード:
from django.contrib import admin from .models import Friend from .models import Message #追加 admin.site.register(Friend) admin.site.register(Message) #追加
ちゃんと管理できているか確認するなら、サーバを起動して管理サイトで確認してください。
このまま先に進みます。次はMessageクラスを利用するページを作成します。
4.forms.pyを編集
ファイル:sample_app>hello>forms.py
コード:
from django import forms from .models import Friend from .models import Message #追加 class FriendForm(forms.ModelForm): class Meta: model = Friend fields = ['name', 'mail', 'age', 'gender', 'birthday'] class FindForm(forms.Form): find = forms.CharField(label='Find', required=False) #以下を追加----- class MessageForm(forms.ModelForm): class Meta: model = Message fields = ['title', 'content', 'friend']
フォームとして、タイトル、コンテンツ、フレンズを準備しました。pub_dataは自動で設定されるため準備は不要です。
次はmessage関数を作ります。
5.views.pyを編集
ファイル:sample_app>hello>views.py
コード:
from .models import Friend, Message from .forms import FriendForm, MessageForm from django.core.paginator import Paginator def message(request, page=1): if(request.method == 'POST'): obj = Message() form = MessageForm(request.POST, instance=obj) form.save() data = Message.objects.all().reverse() paginator = Paginator(data, 5) params = { 'title': 'Message', 'form': MessageForm(), 'data': paginator.get_page(page), } return render(request, 'hello/message.html', params)
必要な部分だけを追加しています。
messageメソッドの内容としては、POSTが送られてきた時に、モデルのMessageクラスのインスタンスを作成して、POSTで送られてきた値をMessageFormに入れて保存しています。
GETの場合は、Messageモデルのすべてのデータをpub_data順に並べ替えていたものをreverseを使って逆順にしています。
そのデータを引数として、Paginatorインスタンスを作成しています。
Paginatorとは、データが多い場合に指定したデータ数毎にページを分割する機能のことです。今回の場合は、5データごとにページを分割するように指定しています。
Paginatorについて詳しく知りたい場合は以下を参照してください。
https://docs.djangoproject.com/ja/3.0/ref/paginator/
最後にmessage用のテンプレートを作成します。
6.message.htmlを新規作成
ファイル:sample_app>hello>templates>hello>message.html
コード:
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <!-- Required meta tags --> <meta charset="utf-8"> <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1"> <!-- Bootstrap CSS --> <link rel="stylesheet" href="https://stackpath.bootstrapcdn.com/bootstrap/5.0.0-alpha1/css/bootstrap.min.css" integrity="sha384-r4NyP46KrjDleawBgD5tp8Y7UzmLA05oM1iAEQ17CSuDqnUK2+k9luXQOfXJCJ4I" crossorigin="anonymous"> <title>{{ title }}</title> </head> <body class = "container"> <h1>{{ title }}</h1> <form action="{% url 'message' %}" method="post"> {% csrf_token %} {{ form.as_p }} <input type="submit" value="send" class="btn btn-primary"> </form> <table class="table"> <tr> <th>title</th> <th>name</th> <th>datetime</th> </tr> {% for item in data %} <tr> <td>{{ item.title }}</td> <td>{{ item.friend.name }}</td> <td>{{ item.pub_date }}</td> </tr> {% endfor %} </table> <ul class="pagination justify-content-center"> {% if data.has_previous %} <li class="page-item"> <a class="page-link" href="{% url 'message' %}"> « first</a> </li> <li class="page-item"> <a class="page-link" href="{% url 'message' %}{{data.previous_page_number}}"> « prev</a> </li> {% else %} <li class="page-item"> <a class="page-link">« first</a> </li> <li class="page-item"> <a class="page-link">« prev</a> </li> {% endif %} <li class="page-link"> <a class="page-link"> {{data.number}}/{{data.paginator.num_pages}}</a> </li> {% if data.has_next %} <li class="page-item"> <a class="page-link" href="{% url 'message' %}{{data.next_page_number }}"> next »</a> </li> <li class="page-item"> <a class="page-link" href="{% url 'message' %}{{data.paginator.num_pages }}"> last »</a> </li> {% else %} <li class="page-item"> <a class="page-link">next »</a> </li> <li class="page-item"> <a class="page-link">last »</a> </li> {% endif %} </ul> </body> </html>
結構長いコードですが、一番確認したいのは主モデルデータを取り出しているところです。
<td>{{ item.title }}</td> <td>{{ item.friend.name }}</td> <td>{{ item.pub_date }}</td>
このように、messageモデルには存在しない「name」のデータをfriendモデルから取り出すことができます。
これがデータベースのリレーションシップを使った時の効果になります。
以上で設定が終わったので、動作確認してみます。
動作確認
python manage.py runserver
ブラウザで以下にアクセスします。
http://localhost:8000/hello/messagemessage画面が表示されます。
次に以下のデータを入力して保存します。
Title:20200921サンプルタイトル
Content:20200921サンプルコンテンツ
Friend:<User:id=1,テストデータ1(36)>
nameがテストデータ1なのでわかりにくいですが、新しくブログの記事データを作成することができて、かつ一人のユーザに対して多数の記事データを紐づけることができています。
ちなみに、主モデル側でも従モデルのデータを取り出すことが可能です。
その場合は次のように記載します。
7.index.htmlを新規作成
ファイル:sample_app>hello>templates>hello>index.html
コード:
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <!-- Required meta tags --> <meta charset="utf-8"> <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1"> <!-- Bootstrap CSS --> <link rel="stylesheet" href="https://stackpath.bootstrapcdn.com/bootstrap/5.0.0-alpha1/css/bootstrap.min.css" integrity="sha384-r4NyP46KrjDleawBgD5tp8Y7UzmLA05oM1iAEQ17CSuDqnUK2+k9luXQOfXJCJ4I" crossorigin="anonymous"> <title>{{ title }}</title> </head> <body class = "container"> <h1>{{ title }}</h1> <p>{{ msg|safe }}</p> <a href="{% url 'create' %}" class="btn btn-primary">新規作成</a> <table class="table"> <tr> <th>ID</th> <th>NAME</th> <th>GENDER</th> <th>MAIL</th> <th>AGE</th> <th>BIRTHDAY</th> <th>MESSAGES</th> #追加 </tr> {% for item in data %} <tr> <td>{{ item.id }}</td> <td>{{ item.name }}</td> <td>{% if item.gender == False %}male{% endif %} {% if item.gender == True %}female{% endif %}</td> <td>{{ item.mail }}</td> <td>{{ item.age }}</td> <td>{{ item.birthday }}</td>
#以下を追加--- <td><ul> {% for ob in item.message_set.all %} <li>{{ ob.title }}</li> {% endfor %} </ul></td>
#ここまで----
<td><a href="{% url 'edit' item.id %}">編集</a></td> <td><a href="{% url 'delete' item.id %}">削除</a></td> </tr> {% endfor %} </table> </body> </html>
このように、繰り返しのfor文を使って「message_set.all」をセットします。
「_set」とは逆引きするための名前として扱われます。
逆引きとは、ForeignKeyのような関連項目がない主テーブルのモデルクラス側から十テーブル側を取り出すための項目名のことです。
今回は従モデル側のtitleを表示するようにしています。
以上で設定が終わりなのでindex画面を見てみます。
MESSAGESという項目に、従モデル側のtitleを表示することができました。
以上でDjangoの基本の機能の勉強は終了です。
これまで学んだ機能を使ってWebアプリケーションを作成して記事に載せていきたいと思います。
本日はここまでです。ありがとうございました。
P.S.
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